セザンヌ展

月曜日に国立新美術館で開催されている「セザンヌ展」に行ってきました。
セザンヌは大好きな画家の1人なので、とても楽しみにしていました。

普通展覧会は何点かの傑作や大作が目玉になっていることが多いですが
今回はセザンヌの画業の歴史が分かる企画で、面白かったです。
特に初期作品はこれまで見たことが無かったと思うのですが
けっこう衝撃を受けました。
明らかにあまりよい仕上がりではない最初期の壁画に、本人は手応えを感じていたそうです。
後年の芸術的な完成度を考えると、とても同じ人とは思えませんでした!
亡くなる時までキャンバスに向かっていたことも分かり
遅咲きの画家の、自らの芸術に対する終わることのない情熱を改めて感じました。

私が今回1番楽しみにしていたのは、マティスが長い間所持していたというセザンヌ作品です!
芸術的な危機に瀕すると、その作品を心の支えにしていたとのことで
今は寄贈されてパリのプティ・パレ美術館蔵になっているものです。
去年プティ・パレ美術館に行ってセザンヌ作品を探したのですが
展示されていなかったので、今回見られて感激しました。
マティスにとってこの絵は、芸術家として1番重要な
心の拠り所のようなものだったのだろうと思います。
マティスもセザンヌも大好きな画家ですが、今までになかった新たな芸術を創りだすには
考えられないような産みの苦しみがあって
2人はそんな苦しみを乗り越えて、自分の芸術に辿り着いたんだろうなと思いました。
心が洗われるような作品でした。